齢20

私はやはり父母の縁を切れないのだと思う。父さんが家を出る時、あの時の声は未だに鮮明だし、母さんの顔も夢から離れない。彼には今何人の頼り人がいるだろうか。誰もいないのかもしれない。一人はいるのかもしれない、だけれど私と同じように生きてきた彼だから、やはり周りに見渡せる程の人間は居ないだろう。そう思う。