つまらないことば

貴方の事を思うたびに昔の卑しい記憶に苛まれる。酒に酔い、人の言葉に酔い、現実から意識を離れさせる度に思う。涙に濡れたあの日の記憶、軟らかな記憶。私はこんなにも愛しい誰かを簡単に裏切れる人間だったのだろうか。
私は軽率さを恥じる。何度となく濡れるあの日の記憶よ。私は口を滑らせる言葉を恥じる。人間として生きていった証よ、今すぐに、そう消えてしまえと。いや、だからして消え得ない。私は、今此処にして生きているのだから。