殺さないで、

わたしは、貴方の始まりも終わりも見る事が出来ないまま、このまま、熱病のような暗鬱に押し殺されて、意識を失い、うなだれた手足や唾液によって汚れた口元を感じながら思うんだろう。本当の温もりなんて、多くの人は持ってない。鼓動なんて聞いても安心なんて一向に訪れない。もう、何もかもがあの時仕舞いになって、人生は雨垂れのように静寂と私を追い詰める。一体どれだけの人間を犠牲にすれば死ぬ事を芯から望まれるのか、判らない。(誰でも良い、たった一人でも。)

雨が私の陰湿さと同調する。今頃になって訪れた眠気に苛まれて、指先の感覚だけで生きている。


ああ、この部屋は水槽みたいだ、なあ。エラ呼吸しか出来ないよ。